2011-01-01から1年間の記事一覧

『静かな家』へのコメント(高橋洋)

(「静かな家は」9/26,10/1に上映) 自分が変質者だと気づいてしまった少女の話、なんだろう。 それが美少女で、かつ学校でイジメにあってるとか友達とうまくいってないとかじゃなく、男子が喧嘩をしていれば体を張って止めるぐらいのしっかりしたヤツ、とい…

『電撃』へのコメント(三宅隆太)

(『電撃』は9/24,10/2,10/5,10/8に上映)脚本家・映画監督の三宅隆太さんより『電撃』にコメントを頂きました。 正直、渡辺あいの演出には、やや迷いを感じる。 現場での悔いが残留思念となって映し出されてしまったような場面もある。 だが、それでもこの映…

『ミニチカ』へのコメント(高橋洋)

(『ミニチカ』は10/6,10/7に上映) 新谷尚之が演じる狂人が写っているわけだ。しかし、我々が目撃したあの狂人とは、何であったのか、もう少し厳密に言わねばならない。 あれは赤塚不二夫の漫画に登場する狂人の実写化なのである。 大木原正樹がそう指示した…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』へのコメント(尾西要一郎)

映画プロデューサーの尾西要一郎さんより、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』へのコメントを頂きました。 微熱をおびた姉弟の道行き。蟲たちのすえた匂い。トンネルに滴る鮮血の存在感。 映画の「彼岸」がここにある。 瑞々しさと円熟。大器、大工原監督…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』『純情№1』の衣装について(長宗我部陽子)

『ホトホトさま』で着ている衣装は1点のみ。紫色のワンピースと白いカーディガン、ベージュのトレンチコート、それと紫色のパンプス。衣装は元々、血糊で汚れることが分かっていたので、新品を2着買いすることになっていた。そこで、監督と私と助監督の中…

『BMG』へのコメント(万田邦敏)

(『BMG』上映は9/29,10/7)映画監督の万田邦敏さんからプロジェクトDDENGEKIで上映の『BMG』にコメントを頂きました。 何やら怪しげな男が勧める怪しげな仕事を引き受けた女に向かって、その怪しげな依頼者がささやく。「もし仕事に失敗したら、あなたの…

『BMG』へのコメント(高橋洋)

何か80年代の自主映画を思わせる気配がそこかしこに漂っている映画であった。 80年代の自主映画といっても色々なのだが、ここで言ってるのは、立教のパロディアス・ユニティとか僕の所属していた早稲田のシネ研とか法政のシアターゼロ関係とかが撮ってい…

『正当防衛』というタイトル(高橋洋)

(正当防衛は9/26,10/5に上映) だいたい監督の伊野沙紀は日本語がおかしい。この映画の原案はすでに入学時に提出された企画書段階で出来上がっていたのだが、どうしてそれが『正当防衛』というタイトルなのか、僕はさっぱり判らず、そもそも正当防衛って何…

『わたしの赤ちゃん』における◯◯◯について (高橋洋)

(「わたしの赤ちゃん」は9/27.10/7に上映)あえて◯◯◯と伏せ字にしたのは、それがクライマックスの階段シーンで起こる重要なアクションと関わっているからで、ネタバレしたくないのである。 うーん、それは『わたしの赤ちゃん』の準備中、シナリオに書かれて…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』へのコメント(小原治)

ポレポレ東中野の小原治さんより『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』にコメントを頂きました。 聞いたこともないのに知っている主題歌に心奪われ、個別の時間と空間の玉突き事故に興奮し、カルピスという事実がまた味わい深いビンの虫に心が蠢きました。一…

チラシ3!

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』チラシを置かせて頂きました。ありがとうございます! 中央線エリア○高円寺 ・ヴィレッジヴァンガード高円寺 http://www.village-v.co.jp/ ・アニマル洋子(古本・古着)http://animal.nobody.jp/ ・RARE高円寺店(中古…

渡辺あい『電撃』と冨永圭祐『乱心』についての往復書簡・第3回(清水かえで+井川耕一郎)

(『電撃』は9/24,10/2,10/5,10/8に上映)<井川耕一郎→清水かえで:『電撃』の病気、『乱心』の病気・その2> 次に『乱心』について。 清水さんは、シーン13で盛太が遠くに放り投げたボールが、シーン14でひよりをあたりそうになるところについて尋ねてまし…

『電撃』の顔について(古澤健)

(『電撃』は9/24,10/2,10/5,10/8に上映)渡辺あいは、僕の連作短編『Mっぽい』シリーズのヒロインである。と書いたら本人に嫌がられるだろうが、僕の認識ではそうなのだからそこから始めたい。役者が監督に転じると、大概傑作を撮ってしまうものだ。最近で言…

渡辺あい『電撃』と冨永圭祐『乱心』についての往復書簡・第2回(清水かえで+井川耕一郎)

<清水かえで→井川耕一郎:『乱心』のシナリオを読んで> 『乱心』のシナリオ、送っていただき、ありがとうございます。 面白かったです。 どんな役者さんがどんなふうに演じているんだろう、どんなところで撮影しているんだろうって、 冨永さんの映画が見た…

渡辺あい『電撃』と冨永圭祐『乱心』についての往復書簡・第1回(清水かえで+井川耕一郎)

(『電撃』より)<はじめに> 試写で渡辺あいさんの『電撃』を見たら面白かった。それで、大工原正樹さんに、『電撃』の感想をブログに書きますよ、と言ったのだが、あとになって、しまった!と思ったのだ。冨永圭祐くんの『乱心』とセットにして論じると面…

『静かな家』へのコメント(モルモット吉田、石川翔平)

(「静かな家は」9/26,10/1に上映)長谷部大輔の『静かな家』は、この後に『棄てられた女たちのユートピア』(オムニバス『人の砂漠』より) と『浮雲』を撮ったとは思えない瑞々しさにあふれている。しかし、自ら構築した世界を壊す破壊衝動が突発的に顔を出…

上映情報

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』+プロジェクトDENGEKIの上映情報です。オーディトリウム渋谷にて9/24より公開!9/24(土)21:10-「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う」→「電撃」→「純情№1」(計106分)9/25(日)21:10-「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を…

『お姉ちゃん、だいきらい』へのコメント(高橋洋)

川口の胸毛がすべてだったと言いたい。 川口というのは同じ11期生で、年はそんなに離れていないのに、何故かオッサンに見えるという理由だけでキャスティングされたに違いないのだが、彼の胸毛を見るなり、魅力的なヒロインも他の出演者の好演も吹っ飛び、他…

『電撃』へのコメント(高橋洋)

(『電撃』は9/24,10/2,10/5,10/8に上映)映画美学校生は何故かクランクイン直前になってから「ご意見お願いします」と僕にシナリオを送って来るのだ。 で、時間がないのはこちらも判ってるんで慌てて眼を通し、意見を書き送ると、「イン直前でどこまで直せる…

『BMG』自作解説(松浦博直)

ジェームズ・スチュワートみたいな洒落た男が、若尾文子や梶芽衣子のような業を背負った影のある女性と出会い、二人が恋に落ちる映画にしたい。最初はそんな風に漠然と考えていました。しかし彼らが出会ったのはいいが、その後がなかなか進みません。男と女…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』試写を見て(にいやなおゆき)

今日、また『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』試写に行ってきました。これで何度めか。7回……いや、8回くらい観てるかも。しかし不思議な事に何度でも観れるんですよね『ホトホトさま』。ストーリーだけの映画なら飽きるし実験映像だと疲れるけど、この作…

『わたしの赤ちゃん』よし、このシナリオで行こうと思ったとき(磯谷渚)

出来上がった作品は、ザッツ姉妹ものといった感じなのですが、最初に何をやろうか考えていたときに、主要人物を姉妹にしようとは思っていませんでした。最初に考えたのは、「死産した保母さんが子供を失った悲しみでだんだん精神を病み、保育所に預けられた…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』へのコメント(松江哲明)

ドキュメンタリー映画監督の松江哲明さんより、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』へコメントを頂きました。 姉ちゃんの動きが可笑しい。手をくねらせるタイミング、首をひねる間、すっとぼけた台詞回し、終いには弟を結ぶ帯のくねくねする動きにまで目が…

『BMG』へのコメント(塩田明彦)

映画監督の塩田明彦さんよりプロジェクトDENGEKIで上映します『BMG』(松浦博直監督)へのコメントを頂きました。『BMG』 伊藤まき演じるヒロインの容貌、立ち振る舞いが香港の女優サミー・チェンに似ている。それゆえ、私は彼女が軽やかにラブ・コメ…

ホトホトさまチラシ2!

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』+プロジェクトDENGEKIのチラシを置いて頂きました。【高田馬場〜早稲田地区】 ・高田馬場タイム http://timerecords.jp/ ・丸三文庫 http://d.hatena.ne.jp/redrum03/ ・早稲田文省堂 http://d.hatena.ne.jp/redrum03/ …

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』・『純情No.1』 メイキング裏話(高橋洋)

映画監督・脚本家の高橋洋さんより、「ホトホトさま」と「純情No.1」について文章を頂きました。「終わりの歌が聞こえてくるよ〜」。主題歌の作詞を担当した高橋洋です。 自分で言うのも何ですが、いい曲ですよね(予告編に流れてます)。 歌謡曲に詳しい井…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』 キャストからのことば(岡部尚)

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』出演の岡部尚さんよりお便りを頂きました。 「姉さん」という台詞が好きでした。 「姉さん」と口にすると、照れ臭いけど妙にゾクゾクでした。 自分にも姉がいるが、「姉さん」と呼んだことはなかった。関西弁はともかく…

『ちるみの流儀』へのコメント(高橋洋)

映画監督・脚本家の高橋洋さんよりプロジェクトDENGEKIで上映する『ちるみの流儀』(川島玄士監督)にコメントを頂きました。 「ち〜る、ち〜る、ちるみ、ちるみ〜」。主題歌の作詞を担当した高橋洋です。 飲み会で追撮の話をしていたら、監督の川島が「何かも…

『静かな家』作品解説(長谷部大輔)

「静かな家」作品解説 「静かな家」は東京芸大映像研究科の一年目に撮る夏季実習作品として製作されました。2008年に撮ったものなので、あまり多くのことは覚えていないのですが、決まりごとは、シナリオは脚本領域の学生が担当し、尺は30分、16ミリフ…

『静かな家』へのコメント(塩田明彦・直井卓俊)

(「静かな家は」9/26,10/1に上映)映画監督の塩田明彦さんよりプロジェクトDENGEKIで上映します『静かな家』(長谷部大輔監督)へのコメントを頂きました。感情が高ぶると足をもつれさせる少女という着想は悪くない。廃墟でひたすら壁に空き瓶を投げ続ける…