10/7トーク!

10/7の上映後に特殊脚本家の小中千昭さん、映画監督・脚本家の高橋洋さんをゲストに迎え、『わたしの赤ちゃん』監督の磯谷渚、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』監督の大工原正樹の4者でトークを行いました。

(左より高橋洋小中千昭、磯谷渚、大工原正樹)

小中千昭さんは磯谷渚監督の『わたしの赤ちゃん』が賞をとった成城大学の映画祭TAKE∞(テイクゼロ)でも審査員を務めていました。審査していた時も、今日の上映の時も見ていて笑ってしまったと話されていた小中さん。監督の磯谷は「お客さんに見てもらう時、意図していないところで笑いが起きると戸惑うのですが」と話していましたが、制作時に参考にしていた作品に『スチュワーデス物語』を上げていて、「それなら笑いが起きても大丈夫だ!」と小中さんに太鼓判を押されていました。

高橋さんからは『ホトホトさま』で姉弟が昔すんでいた文化住宅のシーンについて話がありました。「昔住んでいた家に帰ってきて、弟の治が、すっと大の字になって寝転がる。その動きをみていて彼らが子供時代に還っていっているのだという感覚があった」とのこと。大工原は「あそこはリハーサルをして動きを見つけたのではなく、シナリオ段階からト書きにあった部分です」と答えていました。寝転がった後、治は押入れの中に入って声色を変えて少しふざけた様に過去を振り返ります。このシーンを契機に“あいつ”の暴力がありありと思い出されていき、不気味さも濃い影となって現れだします。それらも含めて脚本の井川耕一郎さんにはイメージがあったのかもしれません。

この日併映のもう一本『BMG』(松浦博直監督)について、「懐かしい感覚があった」という小中さん。万田邦敏さんや篠崎誠さんを迎えたトークの時にも同じような事が話題にあがっていました。松浦監督は特にヌーベルバーグについては意識していなかったとの話をしていましたが、不思議なリンクを感じました。また、『BMG』では1カットの間にちょっと変なことが起こります。見ていてあれをどうやって撮影したのかと質問も出ました。その答えはプロの美術さんでもなかなか思いつかないようなアイデアではないかとのこと。なので、こちらはトークショーを見ていただいた皆さんだけの秘密にしておいてください。

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』+プロジェクトDENGEKIはオーディトリウム渋谷にて10/8までの公開でした。
ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました!