9/30舞台挨拶&トーク!

9/30の上映前に舞台挨拶を行いました。
長宗我部陽子さん、内藤瑛亮さん、久保紫苑さん、浜田みちるさんが登壇しました。

上映後にはキャメラマンの志賀葉一さん、山田達也さん、川島玄士監督、大工原正樹監督がトークをしました。
山田さんは「ちるみの流儀」で出演もされていたので、現場では本当にお酒を飲んでいたの?という話題からトークが始まりました。(「ちるみの流儀」フェイクドキュメンタリーで予め決まったシナリオがない撮影だったのですが、お酒を飲んでいるシーンがたくさん出てくるため)


(右より大工原正樹、志賀葉一、山田達也、川島玄士)

山田さんは志賀さんの「ホトホトさま」での撮影の充実している点を挙げていかれました。
「ホトホトさま」では風景がうまく切り取られている、しかも風景のみを撮影した風景ショットとしてではなく、役者の芝居を撮りながらも風景が同時に巧く切り取られている。映画を見ていると当たり前のようで気がつかないが、これは上品でいてしかも骨太なセンスがないとできないことではないかと話されていました。
ロケ地となった木更津を探索する二人の姉弟。うら寂しい港町の雰囲気もそこに一緒に定着されています。登場人物以外が全くフレーム内に現れないのもその一因ではないかとの指摘でした。
(たしかに、「ホトホトさま」ではロングで撮ったカットで走る車が数台写っている他は人影を見ることが出来ません。)

また、物語の中盤、旅館に泊まるシーンでの背景のライティングの変化。
ここでいつの間にか夜の外に漂う光が禍々しく赤く変わります。弟・治の中に生まれた感情とリンクするような画面です。志賀さんによると、監督の大工原は作風がシックで落ち着いているので、そこに入り込んで提案していくポイントを探していたとのこと。ある誇張をするようなフィクショナルな効果なのですが、監督の大工原もすんなり受け入れられたのはシナリオ上の感情の変化をきっちり捉えた映像になると感じたから、とのことでした。


(右:志賀葉一さん、左:山田達也さん)

ここでの窓を彩る赤は、物語の終盤の舞台となるトンネルの中にも繋がります。
’あいつ’と対峙する姉弟を包むのは、ごつごつした岩肌の質感がおどろおどろしく残るトンネル内を照らす赤い灯火です。
志賀さんによると実はこの赤は照明で作ったのではなく、現場の実際のトンネルの照明そのままを利用したとのこと。作ったかのような光ですが、もともとあったトンネルの赤い光、それを活かして照明設計をしていたとの裏話でした。

キャメラマンによる撮影裏話も飛び出した一夜。『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』+プロジェクトDENGEKIも残り一週間です。
まだまだイベントも続きますのでお見逃しなく!