9/26舞台挨拶&トーク!

9/26の上映前に舞台挨拶を行いました。

右から大工原正樹監督、長谷部大輔監督(『静かな家』)、伊野紗紀監督(『正当防衛』)、宮田亜紀(『正当防衛』)。



『正当防衛』主演の宮田亜紀さん。
伊野監督の実体験も交えた派遣労働についてのシナリオに、いかに“体温”を与えていくか考えていたとのことでした。


上映後には、映画監督の塩田明彦さん、「ホトホトさま」脚本の井川耕一郎さん、大工原正樹で鼎談をしました。

塩田さんと井川さんは遡れば高校時代の先輩・後輩という間柄だったそうです。

トークは、塩田さんのこの映画は「手」をめぐるものだったのではないか、と言う投げかけから始まりました。
骨壷の灰を握り、バッと投げる手。男に握られて竦んでしまう手。執拗なまでに洗われる手―


さらに井川さんが「ホトホトさま」シナリオ時点では輪廻・魔術的環世界が発想のヒントになっているとのことですが、それを広げる‘血’のイメージを書きそびれてしまったのではないか、という制作を振り返った話も。
イメージしていながら書きそびれたと話されていたのは以下のような場面です。

――長宗我部さん演じる姉・妙子の頬についた一滴の血。
それを拭おうとしても、いくら手で拭っても、薄まることなく血が濃く広がっていく――

しかしながら、映画を見た塩田さんからは、大工原が映像にした「ホトホトさま」では違う形でその魔術的環世界のイメージが現れているのではないかという指摘も。
エピローグに見る一夜の夢や、オープニングの骨壷からの散骨というシーン。
これらはシナリオ時点ではなかったシーンです。
それらが加わったことによって、映画で語られている時制で、現在がどこか分からなくなる環的な時間が生まれているのではないか、という塩田さんのお話でした。


作品に踏み込みながらも、3人による和やかなトークでした!
塩田さん、井川さん、どうもありがとうございました。