『赤猫』大工原正樹監督

「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う」の併映作品。プロジェクトDENGEKIにて上映(9/27,10/4)

『赤猫』
2004年/42分/DV<解説>
ナレーションやモノローグ表現の極致ともいえる一本。人が狂っていくのを目の当たりにするのは恐ろしい。ましてここでは結果が先に知らされているのだ。ことの次第を聞いていくうち、夫は目の前にいる妻が見知らぬ他人に見えてくる。観る者はその緊張感と恐怖で息が苦しくなる。やがて真っ暗な背景のなか、森田亜紀がこちらに向かって語りはじめる、そこに誰もいないかのように……。ラストが訪れたとき、私たちは解放され心底ホッとする。劇中の夫も実はそうだったのではないか。

監督:大工原正樹、脚本:井川耕一郎、撮影:福沢正典
出演:森田亜紀、李鐘浩、藤崎ルキノ、永井正子